ペットセラピーについて・・・考えること

ホームページリニューアル後、第一弾となるわんこ基礎知識。しつけについて書こうとも思いましたが、今回は最近気になること・・・を書く事にしました。
少し前にセラピードッグについて調べる機会があり、色々とネットで検索していると、意外に知らないことがたくさんありました。それと同時に、「ペットセラピーのつもりで子犬を購入したが、思うようにならず逆にストレスになっている」という現状が多くある事も知りました。実際リンモカのカウンセリングに来る方の中でもペットセラピーの効果を期待して子犬を飼い始めた方は、少なからずいらっしゃいます。間違った認識で犬を飼い始め、犬も飼い主も不幸になってしまうのは、どうにもやりきれない気持ちになります。少しでもペットセラピーについて学んで役立てて頂ければ幸いです。

アニマルセラピーとペットセラピーの違い

アニマルセラピーやセラピードッグなど最近では良く耳にし、ご存知の方も多いと思いますが、詳しいことはあまり知られていないでしょう。
メディアなどで、見たり聞いたりして、なんとなく動物を飼うと癒される、子供の教育に良いのでは?と考えている方も多くいると思います。
しかし、メディアで取り上げられているような動物たちは人の言う事を聞く良い子ばかりです。
これを鵜呑みにしてペットを迎えいれると、とんでも無い思いをする事でしょう。
そうなる前に、まずは医療現場などで活動するアニマルセラピーがどんなものか学習してみましょう。

アニマルセラピーとは

医療従事者が治療の補助で用いたり、触れ合ったり世話することで自立を促すなど生活の向上を目的とした手法(セラピー)。

犬や猫だけでなく、うま、ウサギなど喜怒哀楽を共感できる情緒性の高い哺乳動物を用いることが多い。

期待できる効果は、「生理的効果」「社会性の改善」「心理的作用」で大きく3つに分類され、犬を撫でることで、血圧のを低下させたり、話しかけることでストレスが軽減されたりするそうです。

日本ではあまり研究されていないようですが、イギリスでは1792年から研究が進められているとのこと。

主な活動場所は高齢介護施設や病院、学校など。

例えば、セラピードッグになるには・・・

セラピードッグに必要な資質
1、人が好きで人見知りしない。
2、他の動物を怖がったり、攻撃したりしない。
3、見慣れない物、大きな音などに動揺しない。
4、オスワリ、マテなど基本的なしつけができていて、飼い主がコントロールできる。
5、健康管理がしっかりできていて、健康体であること。(定期健診や予防接種など)

上記の資質を持ち合わせた、資質のある犬が一定の訓練を受け、試験に合格し、セラピードッグとして活動できるようになります。
資質の無い犬には出来ないお仕事なのです。
では、ペットセラピーはどうでしょう。

ペットセラピー

ペットセラピーも期待できる効果は同じですが、ペットは愛玩を目的として飼育される動物であるため、訓練を受けさせる義務も無いし、人間と喜怒哀楽を共にできるような情緒性の高い哺乳動物である必要もありません。

例えば、水槽の熱帯魚を見て癒される方もいるでしょうし、カブトムシを飼育したり、カエルと触れ合う事で癒される方もいるでしょう。

ここで、ペットセラピーとアニマルセラピーの大きな違いを考えてみてください。
アニマルセラピーは与えられるものであって、与えなければならない事は何もありません。
触れば大人しく撫でられ、時に体を預けたりできます。反抗してきたり逃げ回ることもないので、人はされるがままにしている動物に親しみを感じ癒されるのです。

しかし、ペットはどうでしょう。大人しくしていて欲しくても暴れたり、トイレの世話や食事の世話、しつけなど・・・与えられるより、与える事の方が多いはずです。

我が家にはチワワ2頭(オス、メス)と居候のチワワ(オス)の3頭がいます。それぞれ性格も違いイライラすることもありますが、一緒に居れば癒されるし、一人で家に居るよりも心強く感じることもあります。

私が考えるペットセラピーとはペットを癒したり、世話をする事で生きがいを感じたりたりすること・・なのだと思います。
私自身、愛犬に頼られる、必要とされていると感じることで、生きがいを感じ、癒すことで癒されたりしています。

ペットセラピーは飼い主様の性格とペット選びが重要。

ペットセラピーに向いている性格は、「世話好きで根気のあるひと」だと思いますが、世話好きなら何でも良いと言う訳ではないでしょう。ペットによっても世話の内容も大きく異なりますし、飼い主の好き嫌いもあります。

例えば私は生き物が好きですが、癒されると感じるのは犬、猫、鳥。トカゲやカエル、熱帯魚も見ていて癒されますが、水槽の掃除が嫌いで水が臭くなるのもストレスです。しかし犬のオシッコは臭くてもストレスにはなりません。

ペットが犬だとすれば、まずは信頼関係を気づけなければ癒されることはまずありません。愛犬が信頼を寄せてくれるから可愛いとも思うし癒される。
信頼関係が築けなければ、犬は特に厄介なペットです。言う事は聞かないし、飼い主に歯向かうこともあります。こうなってしまうと、ペットセラピーどころか逆にストレスを感じるようになるでしょう。安易にペットを迎えいれるのではなく、自分に向いている、生活スタイルに合うペットを探すことが重要なのだと思います。


不幸な飼い主、不幸なペットを作らないためにも、このような事を踏まえて新しい家族(ペット)を迎えて頂けると、うれしいです

 

*あくまでも、個人的な意見です。